イギリスがEUを脱退したい理由とは?残留の可能性と今後の影響

ここ最近、英国がEUを脱退するのではないかというニュースを耳にした方も多いと思います。

自分自身もテレビなどでよく耳にしていたのですが、その内容についてあまりにも理解していなかったため、この機会を活かしてこのニュースについて理解を深めていきたいと思います。

多くの方が気になっている「なぜ、英国がEUを離脱しようとしているのか」「離脱することによってどんな弊害が起こるか」など1つずつ確認していきます。

そもそも、なぜEU脱退騒動が起こったか?

ことの発端は2015年5月に行われた英国の総選挙になります。

この総選挙ではキャメロン首相が率いる与党保守党が議席の過半数を獲得して勝利を収めるのですが、この時に保守党が公約の1つに掲げたのが

「EU離脱の是非を問う国民投票の実施」でした。

しかし、なぜキャメロン首相は公約に「EU離脱の是非を問う国民投票の実施」と掲げるほどEUを離脱したかったのか。

そこには英国という大国が抱える様々な問題が関わっていたのです。

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英国の負担 : 移民の受け入れ

英国は移民の受け入れを容認している国です。

移民を受け入れることにより、かつては労働人口の補填につなげ消費の活性化にも一役買うなど、国の発展に大きく貢献した政策の一つになります。

しかし、ここにきてこの移民政策が曲がり角を迎えています。

英国は社会福祉が充実し、英語が母語という利点に加え、EU内は労働者の移住が自由という条件が重なり現在の英国には東欧の出稼ぎ労働者が殺到しているのです。

人口が増えると労働人口が増えるメリットもありますが、納税額の少ない低賃金の労働者が増えていくことで社会福祉費用の増加につながり英国の財政危機がますます悪化してしまうという危機を抱えているのです。

英国の負担 : 金融政策

英国は金融業が基幹産業になるのでこの産業を世界中に展開していますし、逆に世界の主要な金融系の会社も英国国内に拠点を置くよう招き入れています。

一方で英国同様EU内で力を持つドイツやフランスは製造業を中心にヨーロッパはもちろんアジア各地にまでその産業を展開しています。

英国は金融業に力を入れたい、ドイツやフランスは製造業に力を入れたい。

主要としている産業の違いからEUの金融政策や経済の規制が英国にとって利益にならないと考えている政治家が多いこともあり、離脱話が浮上する一因となっています。

英国の負担 : 外交政策

外交政策で主に争点になるのがエネルギー政策です。

EUに加盟する大陸国はガス・石油パイプラインと送電網が各国で接続していますが、英国は島国なので接続していません。

また、EUに加盟する大陸国のエネルギー(特に天然ガス)はロシアや中央アジアから送られていますが、英国は中東やアフリカに頼っている状態です。

これに連動するような形で、EUに加盟する大陸国はロシアや中央アジアが重要な貿易パートナーですが英国は違います。

そもそも、島国と大陸国とでは取るべき外交手段や政策が異なるため大陸国が大半を占めるEUの外交方針が合わない。

と、いうというのが本当のところにあるようです。

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英国が脱退回避のために要求した内容は?

ここでやっと最近まで話題に上がっていた、英国とEUの騒動が出てきます。

その内容を簡単にまとめると、英国がEU離脱を盾にEU内での特別な地位を要求したというもので、2月19日にEUが歩み寄りを見せ合意に至っています。

実際に英国がEUから勝ち取った条件というのが以下の一覧になります。

[br num=”1″]・ポーランドなどから来る移民を抑える対策として、移民に給付する社会保障費を制限できること

・ほかの19の加盟国が参加するユーロ圏の規制やルールに強制されないこと

・EUが進める政治や経済の統合政策の対象にはならないという特別な地位をもつこと

まさにEUに加盟しながら英国がほぼ独自の動きができるよう内容になっています。

もともと単独では小さかった国家が一つの共同体になって利益を最大化させようとしたのが目的に行われたのがEUです。

英国だけ不自由というのも違う気がしますので、今回の決定は英国にとってもEUにとってもプラスの選択になったのではないでしょうか。

英国がEUに残留する可能性は?


ビックベン(英国国会議事堂)

国民投票の実施は2016年6月23日に実施する方針で打ち出されています。

国民投票の内容は「英国はEUのメンバーにとどまるべきか、EUから離脱すべきか」の二者択一形式。

一体、どうなるのでしょうか?

残留の可能性は?

英国がEUに残留するかどうかは国民投票の結果が大きく左右されることは間違いありません。

最新の世論調査では残留派 : 離脱派の割合が55% : 45%になっています。

ただ、ここには今も態度を決めかねている態度保留の有権者が20%もおり、残留派と離脱派の割合も拮抗していることからどちらに転んでもおかしくない状況となっています。

ただ人間は国を問わず大きな変化を嫌うようで英国国民もまた、EU離脱で生まれるであろう変化に不安を抱いているのも事実です。

このあたりは、日本も新たな取り組みに二の足を踏んでチャンスを逃すことが往々にしてありますから、先進国はどちらかというと攻めよりも守りに入る傾向があるのかなと感じてしまいます。

ただ、個人的にはEU離脱よりも残留の方を推しているので大半の英国国民に賛成です。

最後に : 英国の今後

国民投票を経て、今後の英国がどうなっていくのか?も併せて気になるところです。

しかし、現在のところ英国はどちらに転んでもさほどダメージがないというのが大勢のようです。

まず、英国のEU残留が決まれば離脱を盾に勝ち取った特別待遇がありますから今まで以上に様々な活動がやりやすくなるのは既に述べた通り。

また、離脱が決定したとしても英国とEUとの貿易面での結び付きは強く、離脱後もEU諸国との間で何らかの形の自由貿易協定を結んだり、EUの単一市場に参加する地位を獲得する可能性が高いこと。

また、金融市場においても英国の地位をそう簡単に埋められないためEUを離脱したとしても即座に英国とEUの関係がなくなるとは考えずらいでしょう。

こう考えると残留もしくは離脱のどちらに転がったとしても、英国としては受けるダメージはそこまで大きくないと踏んでの動きだった。

と考えられなくもないですね。

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