
そごう神戸店、西武高槻店、西神店が阪急・阪神百貨店を運営するH2Oリテーリングに事業を継承することが決定しました。
関西在住の方にとっては「百貨店と言えば?」と聞かれて真っ先に名前が返ってくるほど浸透している、認知度NO.1の百貨店が阪急・阪神百貨店。
特に今回発表された店舗は阪急・阪神百貨店にとってはお膝下とも呼べるエリアにある店舗。
売りたい思惑と買いたい思惑がガッチリ噛み合って成立したことは伺えますが、西武そごう好きな方にとってはかなり不安なんじゃないでしょうか。
近くの西武そごうがなくなってしまうのではないかと。
Contents
西武そごうの名前はなくなるのか?
これを知るために「そごう西武」のことを知る必要があります。
■そごう西武 店舗一覧
- 池袋本店
- 渋谷店
- 船橋店
- 所沢店
- 筑波店
- 東戸塚店
- 高槻店
- 八尾店
- 大津店
- 福井店
- 岡崎店
- 秋田店
- 小田原店
- 横浜店
- 千葉店
- 神戸店
- 広島店
- 大宮店
- 川口店
- 西神店
- 徳島店
※2016年9月に柏店、旭川店が閉鎖済み
上記が現在、運営されているそごう西武の店舗一覧になります。
そして文字に色を入れた店舗については閉店や売却が決定しています。
⚪︎赤文字 → 閉店
⚪︎青文字 → 売却
既にかなりの数がなくなることが決定していますが、今回発表されたのは「売却」という新しい形。
ただ単に閉店するとなると会社としても赤字が残るだけですが、売却となると多少でも利益が出ることになりますからね。
結果、そごう西武の消滅が早まるかもしれません。
そごう西武が行き着く先は?
そごう西武が今年になって急に閉店・売却を進めるようになったことにはある裏事情があります。
それがセブン&アイ・ホールディングスの名誉顧問でもある鈴木敏文氏の存在です。
百貨店事業は鈴木氏の肝いり案件

実は百貨店事業は鈴木氏の肝いり案件。
鈴木敏文氏と言えば日本を代表するカリスマ経営者。セブンイレブンを日本に持ち込みここまで育ててきた言わば創業者。
強力なリーダーシップを持った創業者が推し進めてきたわけですから、採算が合わなくても鈴木氏がやると言えば無理にでも運営を行ってきました。
しかし、先日の鈴木敏文氏の電撃退任をきっかけに事態は急変。聖域なき経営改革が行われ、かつての鈴木敏文氏肝いり案件も不採算と認定され、現在、百貨店事業にも大鉈が振るわれているというわけなのです。
となると、今後も売却や閉店が増えていきそうということは想像に難くありませんね。
売却された店舗の末路
これは基本的には名前がなくなると考えてもらっていいと思います。
過去にも、よく認知された会社でありながら売却や吸収されたことにより名前が消えていった企業が多々あります。
ダイエー
小売業界の風雲児・中内功が一代で作り上げた大企業。
GMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)という食料・日用品・衣料・家電など1店舗で生活に関わる全ての商品を揃えた店舗展開を実施した先駆けがダイエーでした。
1980年代にピークを迎えましたが、その後は一気に凋落。現在はAEONの100%子会社。
2018年までに店舗ブランドとしての「ダイエー」は消滅する見込みとなっています。
サークルKサンクス
コンビニ業界売上第4位という位置づけも、3位のファミリーマートとは大きく溝を空けられていたサークルKサンクス。
ここ最近は売上も頭打ち状態。下した決断がファミリーマートとの合併でした。
2019年2月までに「サークルK」「サンクス」の屋号を廃止予定となっています。
SANYO
一般消費者に身近なものでは電池やカーナビで高いシェアを維持してきた三洋電機。
しかし国際的な競争についていけなかったこと、また不祥事も重なり経営が立ち行かなくなりパナソニックの子会社入り。
根強いファンもいたためブランドを残して欲しいと多くの声が上がりましたがこちらも2013年に「SANYOブランド」は消滅。
まとめ
今回の売却は神戸・高槻・西神の3店舗の売却であり、そごう西武自体の身売りではありませんから今すぐ「そごう西武」というブランドが消滅するわけではありません。
しかし、売却された3店舗についてはほぼ高い確率で「阪急」もしくは「阪神」百貨店に変更されることは間違いないでしょう。
近隣の方はそごう西武がなくなり寂しくなるかもしれませんが、関西の雄である阪急百貨店が来ると思えばなんだか嬉しくならないでしょうか?